FILE 15 ── MOBILITY
ユーザー車検で、車検代を法定費用に近づける
車検の見積もりを見ると、「法定費用」とは別に、点検整備料や代行手数料が並んでいる。ユーザー車検は、自分で車を運輸支局(車検場)に持ち込み、検査を受ける方法だ。代行の費用がかからず、支払いを法定費用に近づけられる。毎年車検が来る4ナンバーのプロボックスのような貨物車なら、効果はなおさら大きい。編集部はまだ実施していないが、準備として制度と流れを調べた。
車検の費用は二つに分かれる
| 区分 | 中身 | ユーザー車検で |
|---|---|---|
| 法定費用 | 自動車重量税、自賠責保険料、検査手数料 | 誰が通しても同じ額がかかる |
| 整備・代行費用 | 点検整備料、部品代、車検代行手数料 | 代行料はかからない。整備は自分でやるか、必要な分だけ依頼する |
4ナンバー(小型貨物)の法定費用の目安
| 自動車重量税 | 車両総重量1t超2t以下で1年あたり6,600円が目安。経過年数(13年・18年超)で上がり、エコカーは軽減される |
|---|---|
| 自賠責保険(12か月) | 2024年度の基準で12,850円(沖縄・離島を除く)。2026年11月1日以降に始まる契約から値上げされる |
| 検査手数料 | 2,000円台前半(普通車の持込検査で2,300円。区分により異なる) |
貨物車の車検は、新車登録からの初回が2年、以降は毎年になる。自賠責も1年単位で更新していく。
当日までの流れ
- 予約する。国土交通省の自動車検査インターネット予約システムで、受検したい運輸支局と日時を予約する。初回はアカウント登録が必要。車検は平日の日中のみ。
- 点検整備をする。ユーザー車検でも、定期点検整備は所有者の義務だ。自分で点検するか、整備工場に点検だけを依頼して記録簿を作る。ブレーキ、灯火類、タイヤの溝、排気、下回りのオイル漏れなどを確認する。
- 書類をそろえる。車検証、自賠責保険証明書(新旧)、定期点検整備記録簿、納税の確認(電子化されて提示を省略できる場合が多い)。
- 光軸を調整しておく。ヘッドライトの光軸は不合格になりやすい項目の一つ。車検場の近くにあるテスター屋(予備検査場)で事前に調整してもらうと安心だ。
- 窓口で手続きし、検査コースへ。重量税・検査手数料を納め、申請書類を作って受付を済ませたら、検査ラインに並ぶ。外観、灯火、サイドスリップ、ブレーキ、スピードメーター、排ガス、下回りの順に、表示や検査員の指示に従って進む。
- 合格したら新しい車検証を受け取る。不合格の項目があっても、同じ日のうちに直せば再検査を受けられる(受検できる回数には上限がある)。
向いている人、向いていない人
- 向いている:平日に半日〜1日休める。日常点検くらいは自分でできる、または点検だけ工場に頼む段取りができる。
- 向いていない:平日に動けない。整備の状態に不安があり、どこが悪いか見当がつかない。
ユーザー車検は「検査を通す」手続きであって、「車を整備する」手続きではない。車検に通ったからといって、次の1年の安全が保証されるわけではない点は忘れないでおきたい。
はじめての受検のコツ
- 午前の早い枠を予約し、不合格だった場合の手直しの時間を残す
- 初めてなら、窓口で「初めて」と伝える。検査コースの見学や案内を受けられることがある
- 汚れの多い下回りは、事前に洗っておくとオイル漏れの確認がしやすい
- STATUS
- 調査済み・未実施
- 次の一歩
- 車を手に入れたら、最初の1回は点検を工場に頼み、自分は検査の流れを覚えることに集中する。