FILE 10 ── RATIONS
25kgの小麦粉とラードで、ピザ生地と主食を量産する
スーパーの1kg袋ではなく、業務用の25kg袋で小麦粉を買う。重量あたりの単価が下がるのはもちろん、家の中に「当分なくならない主食の原料」が一つあるという安心感は大きい。そこに背脂から抽出したラードを組み合わせれば、ピザ生地、パン、薄焼きの主食まで、加工食品の手間賃を払わずに作れる。
加工食品の値段の正体
冷凍ピザや惣菜パンの価格の多くは、原料ではなく加工・包装・流通・人件費だ。小麦粉、水、塩、イースト、油という原料だけなら、ピザ生地一枚分のコストは驚くほど安い。手間を自分で引き受けるかわりに、中間のコストを外す。それがこの台所の考え方だ。
25kg袋の選び方
| 種類 | たんぱく質 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 強力粉 | 多い | パン、ピザ生地、中華麺。グルテンが強く、よく伸びる |
| 中力粉 | 中くらい | うどん、すいとん、お好み焼き。汎用性が高い |
| 薄力粉 | 少ない | 天ぷらの衣、菓子、お好み焼き |
ピザやパンを中心にするなら強力粉。揚げ物の衣にも少量使いたいなら、薄力粉の小袋を別に持つ。最初の25kgは、使い道の多い強力粉から始めるのが無難だ。
ラード入りピザ生地の基本
家庭向けの目安として、以下の配合から始めると扱いやすい。粉の状態や季節で吸水量は変わるので、水は少しずつ加えて調整する。
| 強力粉 | 250g |
|---|---|
| 水(ぬるま湯) | 160〜170g |
| 塩 | 5g |
| ドライイースト | 3g |
| ラード | 10〜15g |
- 粉・塩・イーストを混ぜ、水を加えてひとまとめにする。
- ラードを加え、表面がなめらかになるまでこねる。ラードが生地に油分を与え、焼き上がりが軽くなる。
- ボウルにラップをして、生地が2倍近くに膨らむまで発酵させる。
- 分割して丸め、少し休ませてから薄く伸ばし、具をのせて高温で焼く。
まとめて作って、冷凍しておく
一度に数枚分をこねて、具をのせずに薄く焼いた状態で冷凍しておくと、トースターで温めるだけの主食になる。具をのせればピザ、そのままならフラットブレッドとしてカレーやスープに添えられる。ラードの代わりに背脂の味付けアブラを少し塗って焼けば、それだけで一品になる。
同じ粉と水と塩で、うどんやすいとんも作れる。主食の選択肢を一袋の粉から増やせることが、バルク買いの本当の価値だ。
保管:湿気と虫が最大の敵
25kgの粉を使い切るには時間がかかる。開封後の粉は湿気を吸い、ダニや虫がつくこともある。袋のまま床に置くのは避けたい。
- 密閉できる容器に小分けする。パッキン付きの米びつや、蓋付きの食品用コンテナが使いやすい。
- 涼しく乾いた場所に置く。夏場は特に、高温多湿の場所を避ける。
- 古いものから使う。新しい袋を開ける前に、前の容器を空にする。
- 見える棚に置く。残量が一目で分かれば、次の注文のタイミングを逃さない。ローリングストックの棚と同じ考え方だ。
- VERDICT
- 採用
- 理由
- 単価が安く、主食の選択肢を一袋から増やせる。保管さえ押さえれば備蓄としても強い。