FILE 04 ── OUTPOST
備蓄を隠さない。ローリングストックを棚に並べる
防災備蓄は、押し入れの奥や床下収納にしまわれがちだ。そして数年後、取り出したときには賞味期限が切れている。ローリングストックは、普段から食べるものを少し多めに買い、使った分だけ買い足していく備え方だ。この仕組みを回すうえでいちばん効くのは、実は「隠さない」こと。備蓄を棚に並べて、暮らしの景色の一部にする方法を考える。
しまい込んだ備蓄は、回らない
ローリングストックが失敗する理由は単純で、目に入らないものは使われないからだ。非常用の箱に詰めて封をした時点で、それは「普段使わないもの」になる。逆に、毎日目にする棚に置かれた缶詰や乾物は、献立を考えるときの選択肢に自然と入ってくる。
見せる備蓄棚のつくり方
棚は「奥行きが浅く、背の高い」もの
奥行きの深い棚は、奥のものが見えなくなり、古いものが取り残される。缶詰や瓶が一列か二列で並ぶ程度の浅い棚が、在庫の見通しには向いている。業務用のスチールラックや、工業系の金属棚なら、重い水や缶詰を載せても安心で、見た目も道具らしく締まる。
先入れ先出しの動線をつくる
- 新しく買ったものは奥(または右)に、古いものを手前(または左)に置く。
- 缶詰は横倒しで並べられる専用のラックを使うと、手前から取るだけで自然に古い順に消費できる。
- 賞味期限を、マスキングテープなどで正面に大きく書いておく。
品目ごとの「定数」を決める
「サバ缶は常に6缶」「パスタは常に3袋」のように、品目ごとの最低在庫数を決める。定数を切ったら買い足す。数を決めておけば、買いすぎも買い忘れも防げる。棚の仕切りや枠を定数ぴったりの幅にしておけば、欠けた分が見ただけで分かる。
何を並べるか
| 分類 | 例 | メモ |
|---|---|---|
| 主食 | 米、パスタ、乾麺、小麦粉 | 25kgの小麦粉は小分けして密閉容器へ |
| たんぱく質 | サバ缶、ツナ缶、大豆の水煮 | 普段の料理に使えるものを選ぶ |
| 脂・調味料 | ラード、塩、醤油、砂糖 | 自家製ラードは冷蔵・冷凍側で回す |
| 水 | 飲料水のボトル・タンク | 重いので棚の最下段に |
| 熱源 | カセットボンベ | 直射日光と高温を避けて保管 |
備蓄の量の考え方
農林水産省などは、家庭での食品備蓄として最低3日分、できれば1週間分を目安にするよう呼びかけている。まずは家族の人数×3日分の主食と水を、普段の消費のなかで回せる量として棚に並べるところから始めればいい。
ローリングストックの要点
- 普段食べるものを、少し多めに
- 見える棚に、古い順に取れる並びで
- 品目ごとの定数を決めて、切ったら買う
- STATUS
- 構想中
- 次の一歩
- 台所の一角に浅いスチール棚を置き、主食と缶詰の定数を決める。