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暖房を足す前に、熱が逃げる穴をふさぐ断熱DIY

拠点調査

冬は寒く、夏は暑い。エアコンの設定温度を上げ下げし、電気代の請求に身構える。だが暖房や冷房を足す前にやるべきことがある。熱が逃げ、入ってくる穴をふさぐことだ。家の中でその穴が最も大きいのは、壁でも屋根でもなく窓。賃貸でも原状回復できる範囲で、断熱を手当てする方法をまとめた。

熱は窓から出入りする

一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会が2025年に公表した試算では、断熱等性能等級4相当(平成28年基準)の戸建住宅で、冬に失われる熱の約41%、夏に入ってくる熱の約64%が窓などの開口部を通るとされている。断熱性能の高い住宅になるほど冬の割合は下がるが、夏の日射による熱の流入は高性能住宅でも半分以上を占める。

開口部(窓)を通る熱の割合(戸建・東京・各断熱等級相当の試算)
断熱等性能等級冬:熱損失夏:熱取得
等級4相当41.2%64.1%
等級5相当28.7%63.5%
等級6相当27.1%62.0%
等級7相当25.3%55.0%

古い集合住宅や賃貸では、窓の性能はこれより低いことが多い。つまり、窓を手当てするのが最も費用対効果の高い一手になる。

冬:熱を逃がさない

内窓(二重窓)をつくる

既存の窓の内側にもう一枚の窓をつくり、間に空気の層を挟む。本格的な内窓のリフォームは費用がかかるが、DIYなら、ホームセンターで手に入るポリカーボネートの中空板(ツインカーボ等)やプラスチック段ボールを窓枠に合わせて切り、はめ込むだけでも効果が出る。両面テープを使わず、突っ張りや枠へのはめ込みで固定すれば、退去時に跡を残さない。

ハニカムシェード・断熱カーテン

断面が蜂の巣状になったハニカムシェードは、その空気層が断熱材の役目を果たす。カーテンにする場合は、厚手で、丈を床まで伸ばし、窓の上下のすき間から冷気が落ちてこないようにすることが大事だ。

すき間をふさぐ

サッシの合わせ目、玄関ドアの下、換気口まわり。すき間風は体感温度を大きく下げる。すき間テープやドア下の隙間ふさぎは安価で、効果が分かりやすい。ただし換気口そのものをふさぐのは、結露やカビ、空気の質の面で逆効果になる。

夏:熱を入れない

夏の熱対策は、窓の外で日射を止めるのが原則だ。カーテンやブラインドを室内側に引いても、ガラスを通った熱はすでに室内に入っている。

  • すだれ・外付けシェード:窓の外側に掛ける。ベランダの手すりや軒に固定できるものを選び、強風時は外す。
  • 遮熱フィルム:ガラスに貼るタイプ。網入りガラスや複層ガラスには熱割れの恐れがあるので、対応品かを確認する。
  • グリーンカーテン:ゴーヤやアサガオをネットに這わせる。プランター栽培と兼ねられる。

部屋全体ではなく、人の周りを温める

断熱で熱の出入りを減らしたうえで、暖房は「部屋」ではなく「人」に寄せる。電気毛布、足元の小型ヒーター、こたつ。消費電力の小さい機器で体の近くを温めれば、部屋全体を暖めるより少ないエネルギーで快適さが得られる。数十ワット程度の機器なら、自作のバッテリーからでも十分に動かせる。

結露とカビに注意

窓の断熱を強化すると、室内側の窓まわりで結露が起きにくくなる一方、内窓と元の窓の間で結露が起きることがある。換気を止めない、湿気のたまりやすい場所はこまめに拭く、を習慣にする。

VERDICT
優先度:高
理由
電源や設備を増やす前に、失うエネルギーを減らすほうが安く確実。まず窓から。